フレデリカは日本映画ばっかり見ています<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。評判は一通り書いてからチェックしています。

映画『 空母いぶき』85点/終戦日に見る映画になれるか?

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空母いぶき

こんにちは。フレデリカです。

 

空母いぶき - 作品情報

作品情報

kuboibuki.jp

あらすじ&鑑賞前感想

www.youtube.com

原作はかわぐちかいじさん。私がモーニングを定期購読していたころに「ジパング」を連載していました。
かわぐちかいじさんは軍事物マンガの超一流だと思うので、はっきり言います。漫画だと誰が主人公なんだかわからねえ。
単行本三巻ぐらい出た後に、3回ぐらい読み直すと「どーやらコイツとコイツとコイツが軸で話が進んでいるらしい」と理解できるようです。
モーニングを「ナニワ金融道」目的で買っていて通勤中に読んで家に持ち帰らずに捨ててしまうような私にはさっぱり感情移入ができませんでした。

 

監督の若松節朗さんはフジテレビのドラマ畑で修業時代を送った人っぽいですね。(wikipedia情報)
あ、私の大好きな「振り返れば奴がいる」に関わっている!ほかにも「やまとなでしこ」や「お金がない!」など。私が「俺は時代の最前線にいなくてはならない」というよくわからない使命から見ていたドラマ(ドラマを見てただけ)をたくさん手掛けていて、来年は福島原発を扱う映画を撮るそうです。コメディからシリアスまで撮れる人ですね。すげえ、何でもできる人だ!器用貧乏の方じゃなくて、いろいろなことが高いレベルにいる人だ!

 

wiikipediaによる原作と映画の違い

  • 東亜連邦は映画オリジナルだそうです。原作は対中国のようです。
  • 記者が乗り込むのは映画オリジナル
  • 深川麻衣さんと中井貴一さんのコンビニも映画オリジナル。

うん、確かに私の中にあるかわぐちかいじさん作品はそんな感じですね。ガチ軍事モノであり、読者目線や読者の共感を呼ぶようなキャラや立場の人は全くいない。それを追加したのが監督の若松節朗さんの手腕ってことでしょうか。

 

前評判としてどうしても避けられないのは総理大臣を演じた佐藤浩市さんの炎上ですね。

dot.asahi.com

 「最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」
「彼(首相)はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます」(後略)

私は炎上してから記事に触れました。本記事をちゃんと読んでません。
悪役としての体制側ならOK?体制側を肯定的に演じるのが嫌なんですね。俳優は河原乞食と言われてしまうほど体制からははみ出している。はみ出していることを誇りに思うのだろうけど、体制の頂点に対しては思うところがあるかもしれないですね。
ま、対岸の火事として見ている在野の無名者の私としては、議論が活発なのはいいことなんじゃないの?という感じ。

 

自衛隊についてはこの話が大好き。今調べて読み返したら涙が出そうになった

2年前旅行先での駐屯地祭で例によって変な団体が来て私はやーな気分。
 その集団に向かって一人の女子高生とおぼしき少女が向かっていく。
少女「あんたら地元の人間か?」
団体「私達は全国から集まった市民団体で・・・云々」
少女「で、何しにきたんや?」
団体「憲法違反である自衛隊賛美につながる・・・云々」
少女「私は神戸の人間や。はるばる電車のって何しにここまで来たかわかるか?」
団体「・・・・?」
少女「地震で埋もれた家族を助けてくれたのはここの部隊の人や。
   寒い中ご飯作ってくれて、風呂も沸かしてくれて
   夜は夜で槍持ってパトロールしてくれたのもここの部隊の人や。
   私は、その人たちにお礼を言いに来たんや。
   あんたらにわかるか?
   消防車が来ても通り過ぎるだけの絶望感が。
   でもここの人らは歩いて来てくれはったんや・・・・」

最初、怒鳴り散らすように話し始めた少女は次第に涙声に変わっていった。
あまりにも印象的だったのではっきり覚えている。
団体は撤退。
彼女は門をくぐった時に守衛さんが彼女に社交辞令の軽い敬礼ではなく直立不動のまま敬礼していた。

ここから先は 空母いぶき の感想です。ネタバレしてます!!

 

空母いぶき - キャラクターと俳優

なんだか俳優のプライベート?の印象とずっと戦っていました(笑)

 

秋津竜太(航空機搭載型護衛艦「いぶき」艦長) - 西島秀俊さん 

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最初に感じてしまった違和感。戦闘機乗りが艦長になれるものなの?劇中でも言われている通り、分野も違えば派閥も違う。空軍だったやつに1艦の艦長を任せるなんてことがあるんでしょうか?ズブの素人的には海軍のプライドと派閥が許さない気がするんですけどね。

制作陣が考える「自衛官の理想像」。ちょっと攻撃に傾いていますが。

 

新波歳也(航空機搭載型護衛艦「いぶき」副長) - 佐々木蔵之介さん

政府と自衛隊しか登場しない原作では、読者の心情に一番寄り添う人。ただしポリシーや考え方が読者の代表なだけであって考えていることに迷いがないし揺るがない。その強い自信が読者とのシンクロを妨げているような気がします。

秋津竜太と新波歳也の衝突はそのまま異常事態と読者との衝突でした。

秋津竜太に人間味を感じないのはそういうキャラクターだからですが新波歳也にも人間味を感じなかったなぁ。新波歳也は秋津竜太に超絶な嫉妬があるはずなんですが、それを絶対に出さない。確かに嫉妬からくる新波歳也の失敗や個人的策略で話が転がったら興ざめな映画なんだけどさ。

新波歳也は自衛官として一番自分を律していた人でした。

 

垂水慶一郎(内閣総理大臣) - 佐藤浩市さん

プライベート?の印象の人、その1。インタビューの炎上でどうしても安倍晋三さんと重なっちゃってました。

前半は官僚にあおられつつも決断できない垂水慶一郎。このあおっている官僚が決断する立場になったら決断できるのかなーなどと思いながらも、一国の指導者たちが立場でメンタルがフラフラされても困るなーと思いながら見てました。

官僚側も佐藤浩市さんらの熱演のおかげで「事件は会議室で~」的な雰囲気はなく、現場への「あんまり撃墜すんな」命令も戦場がわかっていない憤りのようなものは感じませんでした。

 

本多裕子(ネットニュース記者) - 本田翼さん

プライベート?の印象の人、その2。すっげー奇麗なゲームプレイユーチューバー。

秋津竜太に「いぶきは必要か」と問い続けていました。秋津竜太は自衛官として無言を貫いていました。本多裕子たちが残ること許されカメラを返されたことが、その答え「NO」だと思いました。、、、、違ったかも。

二人が残ることができてカメラをまわせたのは二時間で話をまとめるための落としどころという創作の都合だったのかも。

 

当時強烈なニュースになりましたが 2動画しか投稿してなかったんですね。

www.youtube.com

田中俊一(大手新聞のベテラン記者) - 小倉久寛さん

本多裕子の一人だと違和感があるのでもう一人の追加。

 

晒谷桂子(本多裕子の上司) - 斉藤由貴さん

プライベート?の印象の人、その3。登場したときに変態仮面のことがよぎりましたが、その後忘れました。よかった、私の中で風化した。

やっぱりきれいですね。

映画オリジナルであり本多裕子のバックボーンの晒谷桂子ですが、必要だったかはちょっと微妙になってしまいました。だって最後に世界を動かしたのは編集部経由で配信した動画じゃなくてyoutube(みたいな動画共有サイト)に本多裕子が挙げた動画でしょ?事態の解決に晒谷桂子ら編集部は関わってないんですよ。

それとも晒谷桂子たちの描写がなければ「本多裕子のようなフリーライターがいぶきに乗れるわけがないだろ!」とか私が言い出すのかな? 

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藤堂一馬(本多裕子の先輩ディレクター) - 片桐仁さん

プライベート?の印象の人、その4。あ、片桐さんだ。スゲーかっこいい名前もらってる!

TBSラジオのJUNKサタデー「エレ片のコント太郎」が大好きなので片桐仁さんを見ると、エレキコミックの二人にいじられまくっている片桐さんが頭に出てきてしまいます。片桐仁さんって簡単に怒るし簡単に泣くの。

ところでこの編集部はその年の終わりまでに解体されちゃうよね?国家機密の漏洩を二度もやったんだから。 

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中野啓一(コンビニ店長) - 中井貴一さん

事態を知らないでクリスマスのために一生懸命だった人。

 

森山しおり(コンビニのアルバイト店員) - 深川麻衣さん

プライベート?の印象の人、その5。乃木坂46マイマイ

戦場と官僚の重すぎる空気の入れ替えのための市井描写でしたが、機能していたとは言いずらかったなあ。 

深川麻衣PhotoMagazine 『MY magazine』 (e-MOOK)

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城山宗介(副総理兼外務大臣) - 中村育二さん

プライベート?の印象の人、その6。総理に交戦をひたすら叫んでいた人(この人だよね?)。

この人は関係ありませんが丸山穂高議員を思い浮かべてました。「北方領土を取り返すには戦争しかない」といった国会議員です。武力行使などというオブラートにつつんだ(包んでる?)言い方ではなく「戦争」といったアホです。

ja.wikipedia.org

本作では戦場も官僚も一丸となって戦争になるのを止めるために頑張ってました。

 

丸山穂高さんって国会議員を辞めないとほざいていることになってますが、「辞めない」と言わされてるんですかね。議員年金も廃止されているらしいから続ける理由がない。再起の目なんてないし。
「戦争OK」と言ってしまった丸山穂高さんに対して辞職という形で幕を下ろすと、海外に日本の中に少数でも「戦争OK」の意識がある誤認されかねない。
丸山穂高さんに対しては国会で苛め抜いて、「うちは戦争しないと一分の隙もなく全員考えている」を国内外に知らしめる必要がある。「俺やーめた」ではなく「お前はやめろ」という日本がNOをはっきりとたたきつけたと表現する必要がある。そのために議員辞職を言わせるわけにはいかないのかなぁ。維新の会が離党届を受け入れずに除名処分にしたように。
、、、あ、しまった、映画と関係なくなった。

 

空母いぶき - ネタバレ感想 ( 85 / 100 )

ずっと目に力を入れてみてました。疲れた。
戦場と官僚のシーンはおっさん祭りでしたね。自衛官と官僚の頼りになる姿だけで85点ですよ。
ただ、上で書いてきたとおり、原作にある戦場や官僚のフェーズと映画でつけ足した編集部やコンビニ部分の乖離が大きかったです。戦場での出来事が市井(であり現実世界)にも影響している表現はコンビニレジの込み具合だけでした。しかも客はパニクることなく順番をちゃんと待ってる(笑)。クライマックスに強奪騒ぎになるほどの混乱になるわけでもなく。

終戦日に見る映画になれるか?

中盤までは終戦日に見て「戦争はするものではない」と確認する映画だと思ってました。最後まで見ると終戦日に見るべきではない映画だと思いました。
私はこの映画のメインテーマが「戦争は国民の総意をもって回避するもの」だと受け取りました。官僚と戦場での自制と超高度な政治判断。

それだけが伝われば終戦日に見るべき映画でしょう。
けど、自衛官や兵器のかっこよさも光る映画だったりします。そのカッコよさはCGのレベルの低さを帳消しにして余りあるかっこよさです。
人によってはそちらに強く目を奪われてしまうでしょう。ならば終戦日に見るべきではないのかなと思いました。

終戦日に見るべき映画。核が落ちるときに「それは本当にやめろぉ!」と叫びたくなりました。

www.frederica-movie-review.com

 

情報というのは私の常識をはるかに超える速さ。ミサイルは物理攻撃。

私にとって戦場ものとはガンダムだったりします。本作ほど現実に沿った戦場ものは初めてでした。
その中で覆された私の常識です。
ミサイルは物理攻撃だから着弾に時間がかかる。
ミサイルは撃ったら次の瞬間には着弾しているもんだと思ってました。だってミサイルって速いじゃん。
ガンダムでもホワイトベースを旋回してミサイルをよける描写がありますが、そんなことできるわけがない。ミサイルが的をはずしているだけだと思ってました。だってホワイトベースってでかいじゃん。
いくら速くったってミサイルは物理攻撃なんですね。距離が離れていれば移動に時間がかかる。その中で「報告→艦長判断→迎撃態勢→迎撃」ができるんですね。がんばればホワイトベースでも避けれるのか。

んで、さらに驚いたのは情報の速さです。
敵が撃った瞬間、上空から監視している機体から艦隊に情報が入る。
敵戦闘機を撃墜したらすぐに官僚に報告が来ている。
組織や体制が整っていれば今のテクノロジーなら全く関係ない。その速さは納得できるんですが、私の常識外だったからちょっと驚いた。

そーいえば、いぶきの艦橋ってどこにあったんでしょう?完全に密室で薄暗かったからなぁ。上の方にはないんだよね。ってか上の方にあったら危ないのか。今の時代なら目視確認する必要ないしね。

 

空母いぶき のベストシーン

映画のキモ

「いぶきは必要か」に対する秋津竜太の「答える立場にない」
感情を出すことなく自衛官としての自分の律し方が見事であり、最後まで貫かれてました。

冗談

突然の関西弁。
そこまで登場していた自衛官がひたすら自分を律していたので突然の関西弁にコミカルさを感じました。

きれい・かわいい・色っぽい

マイマイにしたいけど、ぐっと来たのは斉藤由貴さんの長いポニーテールでした。 

空母いぶき の評判

2.9/5.0 (yahoo映画 2019/05/30)

 

その他

私のこと

 グーグルさんのパンダアップデートから閲覧数が1/3になっちゃったよ、、、、orz
長期スパンで考えているから問題ない、、、て言いたんだけど、もうこのブログも5年だよ。5年にしちゃ少なすぎるアクセス数だよ。